有酸素運動の種類
有酸素運動にもいろいろあります。あなたが知っている踊りでも、太極拳のようなものでも、酸素を充分に取り込めて軽度のものであれば有酸素運動になります。
つまり、有酸素運動は無数にあります。あなたが独自の動きを考え出してもいいのです。
効果的な有酸素運動の条件としては”負荷が軽く”、”ゆっくりとした動き”で、”足を使った運動”ということです。太極拳も膝を曲げて腰を落として、ある程度足腰に負荷をかけながら、ゆっくりと動いていますね。
剣道の素振りやシャドウボクシングのようなものだと、動きが速いために、普通の人がすると無酸素運動になってしまいます。
心拍数を一定に保ちながら、長い時間運動し続けるには、単純でリズミカルな動作を反復するほうが楽です。ウォーキングやジョギング、サイクリングも単純でリズミカルな動作の反復です。
また、器具を使ったステッパー、エアロバイクなども同様です。
次に、あなたがこれから有酸素運動を始めるのであれば、”持続しやすいもの”を選ぶことが大切です。
水泳はすばらしい有酸素運動ですが、施設に通わなければなりません。フィットネスジムのエアロバイクやトレッドミルなどもそうです。あなた自身、ほんとうに続けられるのか、はじめにしっかり考える必要があります。
通い続けるのは思いのほか大変なものです。というのは、有酸素運動というのは本来、わざわざ施設に通わなくても、近所を歩いたり、あるいは自宅の中で、”今あなたがいるその場所で”、立ち上がるだけで、”今すぐにでも始められる”ほど簡単なものだからです。
とくにその場でできる運動は、あなたの空いた時間を使えるし、何かをしながらでもできるのです。
ウォーキングやジョギングといった屋外での有酸素運動は、お金もかからず手軽にできますが、車の排気ガスなどで空気が汚れている場合、健康を害する危険があります。ですから、車が走っている横の歩道をウォーキングするのはオススメできません。緑の多いところ、交通量の少ないところがあれば、なるべくそういったところを歩いたり走ったりするべきです。
交通量の少ない時間帯、ということも考えるべきです。
ただ景色がいいから、眺めがいいからという理由だけで、ジョギングコースに選ぶのは危険なのです。見えない空気のことも考慮に入れるべきなのです。
車の排気ガスがいっぱいの通りを毎日ウォーキングしていた人が、肺がんにかかってしまったという例もあります。
以上のように考えると、あなたがもっとも持続しやすく、”絶対”健康を害する危険のない有酸素運動とは、自宅で行う有酸素運動といえます。
室内での有酸素運動としては、エアロビクスダンス、太極拳のようなもの、踏み台昇降、ステッパー、エアロバイク、ウォーキングマシン、乗馬器具といったものがあります。 運動が苦手な人は、アイデア器具も参考にしてください。
ウォーキング
もっとも多くの人々に愛され続けている、バランスの取れた有酸素運動です。
手軽さと軽めの強度が特徴です。
無酸素運動への移行の危険が少ないので年配の方にとっても安全です。
交通量の少ない場所と時間帯を選ぶ必要があります。
ジョギング
ウォーキングとともに人気のある有酸素運動です。
走るスピードによって有酸素運動にも無酸素運動にもなります。
足腰の強化と、スポーツの基礎体力養成にも向いています。
交通量の少ない場所と時間帯を選ぶ必要があります。
水泳
水中ならではの効果が期待できる有酸素運動です。
水の抵抗が運動負荷となり、効果的な運動ができます。
足腰に負担をかけない代わりに、上半身の発達に効果があります。
ただし、施設まで通う必要があります。
踏み台昇降
丈夫な台を用意し、その上に乗ったり降りたりという単純動作を繰り返します。左足を乗せたら次は右足を乗せ、また左足を下ろし、右足を降ろすというように「交互に」足踏みするように動かします。片足で台に昇るときや降りるときに足の筋肉にほどよい負荷がかかり、効果的な有酸素運動になります。
左足から乗った動きをしばらくしたら、今度は右足から乗るようにします。左右の足の筋肉をバランスよく使うためです。台を高くするほど、負荷が大きくなります。
自宅でできる有酸素運動としては、もっとも手軽な方法です。
台は動かないように壁につけるようにするなどして、固定すると安全です。壁に固定して、なおかつ強い角があれば、足の裏のツボを刺激できて気持ちのいいものです。
しかし、足を踏み外して転倒する危険があるので、年配の方や今まで運動してこなかった人、肥満体形の人には不向きといえます。
耐荷重のある丈夫な踏み台も用意する必要があります。
また、足を踏み外さないようにずっと足元を見ていなければならないので、テレビを見ながら運動するのには適していません。手軽さの代わりに根気を必要とする有酸素運動といえます。
ステッパー
その場でステップを踏むという単純動作を繰り返します。その場で普通に足踏みしても負荷抵抗が少なすぎるので、有酸素運動効果もさほど期待できず、すぐに飽きてしまいます。
しかしステッパーを使うと、油圧シリンダーの適度な抵抗が足の筋肉にほどよい負荷を与え、効果的な有酸素運動になります。
エアロバイク
イスに座りながら自転車のように漕ぐという単純動作を繰り返します。ペダルを踏み込んで回転させるときに空回りではなく、ある程度の負荷があることにより、おもに大腿四頭筋にほどよい負荷を与え、効果的な有酸素運動になります。
足の筋肉は全身の筋肉の約7割といわれ、この太ももを中心に鍛えることは基礎代謝を高めることにもなり、太りにくい体を作ることができます。